夢のまた夢【短編集】
「さあ、どうぞ。
すこし蜂蜜を垂らして飲むと良いですよ。」
と、
目の前に赤い色をした
ローズヒップティーの入ったカップを
差し出される。
テラスに置かれた
ナチュラルウッドのテーブルセットに
腰を降ろし、
ティーカップと一緒に置かれた
蜂蜜の入った小さなピッチャーを
カップに傾ける。
ツーーーーーーーッ
細く垂れるそれは
まるで金色の糸の様だった。
スプーンでゆるゆると混ぜ
ゆっくりとカップに口をつける。
実はローズヒップティーは
あまり好きではなかった。
あの酸味が苦手だった。
ただ、職業柄、肌に良いとなれば
なんでも試すしかない。
嫌々ながらも一日に一杯は飲むようにしていた。
ーーー美味しい……
「美味しいでしょ?」
「ええ、とても」
「まぁ、色々と他にも
ブレンドしてますからね。
かなり飲みやすくはなっていると思いますよ。」
ローズヒップティーが
苦手だということを
見透かされているようだった。
「お好きなんですか?」
と、言いながら庭先のハーブに
目線を送る。
「ああ、好きと言うか半分は仕事かな。
大学でね、植物の研究をしています。
植物が人間に与える影響を
調べているんです。その逆もね。」
「植物と人間?」
「ええ、植物には実に色んな力があり
視覚だけでなく嗅覚からも脳に影響を多大に与える。その逆も然り。
聞いたことないですか?
植物に話しかけるとよく育つとかって。」
「ああ、確かに。」
「まあ、そんなことを永年、飽きもせず調べているんですよ。」
「素敵ですね。」
「植物が?僕が?」
と、
やはり穏やかな笑みを浮かべながら
その男性は言った。
「あなたさえ良ければ
また、お茶を飲みに来てください。」
「ありがとうございます。
お言葉に甘えてそうさせて貰います。」
いつになく軽くなった心が
私を素直にさせる。
「そうだ、
自己紹介しよう。
僕の名前はーーーー」
私はそこで目を覚ます。
まただ、
もう何度、同じ夢を見たことだろうか。
毎夜の様に現れるあなたは
一体
ーーーー誰?
すこし蜂蜜を垂らして飲むと良いですよ。」
と、
目の前に赤い色をした
ローズヒップティーの入ったカップを
差し出される。
テラスに置かれた
ナチュラルウッドのテーブルセットに
腰を降ろし、
ティーカップと一緒に置かれた
蜂蜜の入った小さなピッチャーを
カップに傾ける。
ツーーーーーーーッ
細く垂れるそれは
まるで金色の糸の様だった。
スプーンでゆるゆると混ぜ
ゆっくりとカップに口をつける。
実はローズヒップティーは
あまり好きではなかった。
あの酸味が苦手だった。
ただ、職業柄、肌に良いとなれば
なんでも試すしかない。
嫌々ながらも一日に一杯は飲むようにしていた。
ーーー美味しい……
「美味しいでしょ?」
「ええ、とても」
「まぁ、色々と他にも
ブレンドしてますからね。
かなり飲みやすくはなっていると思いますよ。」
ローズヒップティーが
苦手だということを
見透かされているようだった。
「お好きなんですか?」
と、言いながら庭先のハーブに
目線を送る。
「ああ、好きと言うか半分は仕事かな。
大学でね、植物の研究をしています。
植物が人間に与える影響を
調べているんです。その逆もね。」
「植物と人間?」
「ええ、植物には実に色んな力があり
視覚だけでなく嗅覚からも脳に影響を多大に与える。その逆も然り。
聞いたことないですか?
植物に話しかけるとよく育つとかって。」
「ああ、確かに。」
「まあ、そんなことを永年、飽きもせず調べているんですよ。」
「素敵ですね。」
「植物が?僕が?」
と、
やはり穏やかな笑みを浮かべながら
その男性は言った。
「あなたさえ良ければ
また、お茶を飲みに来てください。」
「ありがとうございます。
お言葉に甘えてそうさせて貰います。」
いつになく軽くなった心が
私を素直にさせる。
「そうだ、
自己紹介しよう。
僕の名前はーーーー」
私はそこで目を覚ます。
まただ、
もう何度、同じ夢を見たことだろうか。
毎夜の様に現れるあなたは
一体
ーーーー誰?