余命5年と言われて(膠原病)

「渡辺さ〜ん。どうぞ〜」


看護師が母親を呼ぶ。
そう。
母親はおばあちゃんという名前ではない。
渡辺智子という名前だ。


「病名がわかりました!」


もうわかったんかい!さっきはわからんって言っていたのに。


「肺高血圧症です」


それ、私が言ったからでしょ?大丈夫かな、この医者。


「膠原病の薬がいるならうちからは出せないのよね〜肺高血圧症なら出せるからそれでいい?」


「はい。お願いします」


「うちの父もね、あそこの総合病院に入院してるんですよ」


自分の父親も診れないんですか?


薬局で薬をもらって帰った。
ゲリラ豪雨のような雨の日だったのをよく覚えている。

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