宛先のないラブレター

First kiss

文化祭の準備を みんなに謝りながら抜け出して


あたしはきみに会いに行った。


小学校の外灯の灯りに照らされて


あたしたちは 初めてのキスをした。


お互い初めて同士で すごく恥ずかしくて


きみの顔が近づいてくるたびに


あたしが笑っちゃって・・・


20分以上もその繰り返し。


いきなり真顔になったから


「怒った?」 って聞いたら


「いつまでもできない自分にムカついてきた!」って。





「ごめん・・・もう絶対笑わない。」



あたしの肩を 優しく 


少し不器用に引き寄せて


思ったよりもずっとやわらかな


不思議な感触が 一瞬 重なった。




「した! したな!」


ここ一番の大仕事を成し遂げたような


誇らしげなきみが大きく手を振る。


あのときのあたしたち


なんかすごく 可愛かったね。




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