夕陽のあの人
「藤村君、今日、図書館来てね」

学校の帰り道、裏門を出た所で西本に捕まった。

慌ててまわりを見渡したが誰もいない。

「来てくれなかったら…」

「ぉ、おぅ。行くよ、行く。絶対行くから、じゃあな!」

俺は西本の脇をすり抜けてひたすら走った。

しばらく走って振り向くと、西本はまだこっちを見ていた。

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