夕陽のあの人
家に帰って部屋に閉じこもった。

今日は絶対ここから出ない。

図書館になんか行くもんか。

頭の中で「来てくれなかったら…」と西本の声がした。

行かなかったら…?

俺はどうなるんだ…?

「お化けになっちゃう…とか?」

口に出したら本当に怖くなって、俺はまた走り出した。

玄関を出て自転車に飛び乗る。

ペダルに体重をかけて、図書館への道を頭の中で確かめた。

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