溺愛レッテル
嶺はもたれかかっていた壁から背中を離し、ゆっくりと春彦に近寄っていった。

唇を左だけ吊り上げて、笑う。

「彼女のこと、好きなんだ?」

「…」

一瞬、春彦の目が怯んだ。

何としても平常を保とうとしているのが見て取れる。

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