溺愛レッテル
死ぬかも、なんて、そんな大袈裟なことを考える暇はなかった。

物凄い音をたてて、12段下まで一気に滑り落ちた。

「…」

床に散乱した教科書と共に、意識がだんだん遠退いていく。


最後に脳へ伝わったのは、上の階に見えた女の姿と、私の名を呼ぶ春彦の声。

< 112 / 150 >

この作品をシェア

pagetop