溺愛レッテル
春彦の唇が、触れた。


「…」

その後、春彦は、さっそうと立ち上がってその場から去って行った。

ほんの一瞬の出来事。

それでも、私の頭の中を慌乱で満たすには十分なものだったけれど。

「……え?」

勢い良く起き上がって、唇を指でなぞった。

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