溺愛レッテル
嶺は壁にもたれ掛かって、ニヤッと口元を緩めた。

吹き抜けていく風にその黒髪が揺れて、なんとも言えない艶やかな雰囲気を生み出している。

思わず見とれそうになった。


それにしても、なぜここにいるのだろう。

「…」

有名だとはいえ、私は一度も話したことなんてない。

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