溺愛レッテル
「…ここでいいのよね」

約5分前から、私は人の家の前に立ったままでいた。

表札に「高橋」と書いていることを何度も確認する。

間違いないことにどこかがっかりしている自分もいた。

こぶしを握りしめると、飲料とヨーグルトの入ったコンビニ袋がかさ張る音が鳴った。

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