溺愛レッテル
教頭も歳なので、全速力で逃げる高校生はさすがに追い掛ける気にならなかったようだ。

怒鳴り声だけを後に、私たちは人のやたら多い校庭側にまで来た。

久々に一生懸命走ったからか、随分と息切れが激しい。

ぜぇぜぇと咳込む私たちを、校庭にいた人の大半が凝視していた。

視線が妙に痛い。

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