溺愛レッテル
片手には掃除用の雑巾を握りしめている。

「ハル、ちゃんと掃除しなきゃダメじゃない」

「こんなときに掃除なんてしてられるかっての」

随分と息を切らして話している。
よほど急いで教室まで戻って来たのだろう。

「だよねー、有理ったら何にも教えてくれなかったんだよ」

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