溺愛レッテル
春彦の異様な態度もそうだが、嶺のこの一言には、私も驚かずにはいられなかった。

肩書だけだと言ったのはむこうなのに、何だ、『一緒に帰ろう』って。

ぽかんとしてバッグの持ち手を握っていると、嶺は寄り掛かっていたドアから離れ、私の腕を掴んだ。

「ホラ、早く」

< 52 / 150 >

この作品をシェア

pagetop