溺愛レッテル
振り落とされんとして嶺にしがみついているが、できれば一刻も早く降ろして欲しい。


気付くと、嶺の背中が小刻みに震えていた。
自転車の運転も、何だかおぼつかない様子だ。

「ちょっと、何で笑ってるのよ」

「や、なんだかんだ言って大人しく乗ってるからおもしろくて」

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