溺愛レッテル
「…」

「そんなに悪くもないでしょ、コレ」

「別に…」

横を走る車のせいで言われていることをうまく聞き取れなかったが、わずかに聞こえた声と場の雰囲気で、それを理解した。

走っている最中に下りられるはずがないとも思ったが、言われてみればそうだ、と、目を泳がせた。

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