溺愛レッテル
ところが、彼が私に告げた要点は、たったひとつ。

『付き合ってください』と。

そのときの私の表情は、何とも言い難いものだっただろう。
混乱と喜びと疑いとが錯乱したあの感情は、今も『要は何だったのか』がわからない。

けれど、ひとつ明確だったのが、それに対する返答だ。

私は彼のその申し出を、間髪容れずに受け入れた。

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