溺愛レッテル
嶺は私の名を呼んだきり、また黙り込んだ。
その代わりに、自転車をこぐ足がだんだんと速くなっていった。


並木道を通過して何本か細い通りを曲がれば、特に上り坂も下り坂もなく団地に入る。

私の家は、その団地のど真ん中。

あまり世話をかけるのも釈なので、細道に入る前に下ろしてもらおうとした。

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