溺愛レッテル
「ちょっと、あの…道過ぎたんですけど」

「黙って乗ってな」

「何考えてるの!?下ろしてってば!ねぇ」

大声をあげたせいで、さっきにも増して人に見られていたが、恥ずかしさよりも混乱のほうが上回る勢いだ。

嶺は自転車を止める様子もないまま、ついに川まで到達してしまった。

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