きれいな恋ばかりじゃない
協力してあげる
・・・・・
「あぁー終わったぁーー!」
「燃え尽きた・・・」
憂鬱なテストはこれで全部終わり。後は夏休みまで短縮授業で、残り日数を数えながらそわそわする日々になる。
・・・補習がなければ。
「ていうか、理菜ぁー!どうしよう!」
「なに突然大きな声出して」
テスト終わったら相談しようと思っていたことを、理菜に打ち明ける。
「私、絋斗先輩のこと、憧れじゃなくて恋愛対象で好き」
「知ってるよ!」
「だけど、先輩の周りはいつも人がいっぱいじゃん?だから自分から近づけないし、誘えない・・・。でも、先輩今年で卒業していなくなっちゃうし時間ない!」
「そうだよねぇ」
「だから、夏休み入る前になんとかしないと、思い出作れずに終わっちゃう!どうしよう!?」
「積極的になれ!」
「ムリ!」
「諦めろ」
「ムリでしょ!」
はぁー、と呆れて溜め息をつく理菜。
自分だって分かってる。行動起こさなきゃダメだって。
でも、それが出来たら一年も片想いしてないよ・・・。
「奈美、先輩は色んな人に告られてるんだよ?そういう人はみんな、勇気出して動いてる」
「うん・・」
「みんな先輩が本気で好きなんだよ。だから勇気出す。だけど、奈美は?本気で好き?」
「本気。本当に本当に好きだよ」
最初はカッコいいから気になってたけど、今は先輩の心が大好きで堪らないし、この気持ちはみんなに劣らない。
「じゃあ、手遅れになる前になんとかしないと」
「うん・・」
「今日は私、先に帰るから。だからこのあとすぐに誘いなよ?夜に電話するから」
「えぇ!?すぐ!?」
無茶だよ・・・!!
こうして私は帰りのHRまで胃がキリキリ痛むのを耐える事になったのでした。