さよなら冬美
出会い
冬美と別れてどれくらいたっただろう。

俺は今でも、あの日いつもの様に軽い気持で冬美に言った事を後悔している。どんな言葉が許せなかったのか。
多分俺の放った言葉に冬美は、今まで我慢した何かが壊れ始めたのだろう。
そして5年間ダラダラと付き合っていた俺に、5年たっても変わらない、成長しない俺にぶち切れてしまった。
いつもの冬美なら、軽く笑っていただろうに。
その時の冬美には許せないキーワードがあったのかもしれない。
そして俺たちは別れてしまった。
ここ1.2年別れる別れないの小競り合いはよくあった。
いつも冬美からあやまってきた。
いや俺が何食わぬ顔で電話すると何事も無かったかのように俺を受け入れてくれた。
だからその時も軽い気持ちでいた。
冬美は許してくれるものだと信じて疑わなかった。
だから何がいけなかったのか、俺は自問自答を繰り返している。
こんなに冬美を好きだった事に今更気ずいたところであの日に戻れるはずもない。
ただ冬美のことだけが思い出されて仕方が無い。
冬美を近くに感じられない日をどれくらい過ごせば冬美を忘れることができるのだろう。
今の俺にはかんがえられない。
辛い。
苦しい。
冬美以上に人を好きになる事も。
冬美以上に人を愛おしく思う事も。
俺にはもう、ないだろう。
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