Sympathy For The Angel
「樹さんって、オーラが全然違いますよね。椿さんもだけど」

美優紀がおずおずと話しかけてきた。


「そうかな?あれでも二人の時は結構甘えて来るよ?」

コーヒーを一口啜ってそれに答える。

「二人きりの時って、男の人と何を話したりするんですか?」

「美優紀は同クラの男の子と話したりしないの?気になる男の子とかは?いないの?」


ウブなんだなぁ、この子。

真依より奥手な普通の子と話すなんて、なんか不思議。


「私の回りには……。気になる男の子っていないです。皆私の病気を知ってるから、私と話すのを怖がってて……」

「えぇ!?何でよ!?」

「私が吃驚すると心臓が止まるんじゃないかって、皆、腫れ物に触るようにしてて。だから同年代の友達も……」


いないのか。

なんだか、それはそれでやるせないよなぁ……。



「いいじゃん。今は私やエリカもいるんだしさ。美優紀が手術を頑張って病気が治ったら、皆でケーキ買ってお祝いしよう?紅蓮や蘭の皆を呼んで」

「……はい!」


瞳に光る水滴を拭って、美優紀は健気に返事をした。
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