Sympathy For The Angel
樹は私の腰に手を回し、部屋のドアを開けて中にもつれ込んだ。




「ストーブ点けるよ?」

そう言って反射式のストーブに火を点ける。

「暫く使ってなかったから寒いね、この部屋」

ストーブの前にしゃがんでぬくぬくと手を炙っていると、樹が後ろからくっついて私の胸をまさぐっていた。

「……ちょっと、危ない」

「寒いから人肌で」

私の肩に頭を乗せて、手は服の中に侵入させている。


「……やだ。シャワー浴びたい。部屋まだ寒いし」

その言葉にチッと一つ舌打ちをし、「早く入って来いよ」と侵入させていた手を引っ込めた。


部屋に備え付けのユニットバスでシャワーを浴びると、気分がすっきりしてくる。


ユニットバスから上がりストーブの前でストレートの長い髪を乾かしていると、自分の部屋でシャワーを浴びた樹も戻ってきた。


「伸びたな、髪」

私の髪を一房掬って口づけるとそれをすぐ離し、今度は耳を舐めだした。

耳元に響く、くちゅくちゅという水音はどこか卑猥で、思わず逃げるように体を仰け反らせた。

だが樹はそれを赦してはくれず、執拗に両方の耳を攻めてくる。

「やっ…もう」

体を捩ると、再び手が胸の中に侵入してきて容赦なく私の弱い所を玩び、焦らしていく。

そのまま立ってベッドに連れていく間にも、樹が私を離すことはない。

服をたくしあげて下着をずらすと、いきなり胸に吸い付かれた。

樹の手で体の下を緩急をつけて弄ばれ、容赦なく快楽の坩堝へと私は導かれた。




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