Sympathy For The Angel
「………桜桃寮……?」
小規模な学校の校舎のような建物の中に、車は滑るようにして入っていった。
「何、ここ?」
手を取って助手席から美優紀を降ろし、先を歩く八神諒に追い付きながら尋ねてみる。
「……俺の一族が児童福祉の名目の一環として、運営している児童擁護施設だ」
その言葉に、美優紀がハッと息を飲んだ。
「ここの理事長は俺の母。俺の婆さんの名義で他にも二つの児童擁護施設がある」
「………何?八神一族が福祉に力を注いでいるのを自慢したいわけ?」
嫌悪感を露にして、私は顔を歪めた。
「違う。見せたいものはこっちにある」
建物の横を通り過ぎ、裏手に出ると、真新しい別の建物が目に入ってきた。
「あそこは中学生以上の子供達の為に造られた『トレーニングルーム』だ。体を鍛えるという目的で、俺が母に造らせた」
「至れり尽くせりってわけね」
「……『トレーニングルーム』ってのは建前。中に入ってみろ」
小規模な学校の校舎のような建物の中に、車は滑るようにして入っていった。
「何、ここ?」
手を取って助手席から美優紀を降ろし、先を歩く八神諒に追い付きながら尋ねてみる。
「……俺の一族が児童福祉の名目の一環として、運営している児童擁護施設だ」
その言葉に、美優紀がハッと息を飲んだ。
「ここの理事長は俺の母。俺の婆さんの名義で他にも二つの児童擁護施設がある」
「………何?八神一族が福祉に力を注いでいるのを自慢したいわけ?」
嫌悪感を露にして、私は顔を歪めた。
「違う。見せたいものはこっちにある」
建物の横を通り過ぎ、裏手に出ると、真新しい別の建物が目に入ってきた。
「あそこは中学生以上の子供達の為に造られた『トレーニングルーム』だ。体を鍛えるという目的で、俺が母に造らせた」
「至れり尽くせりってわけね」
「……『トレーニングルーム』ってのは建前。中に入ってみろ」