Sympathy For The Angel
エリカとファストフードで待ち合わせ、窓際の席に座り、自嘲気味に昨日の顛末を話して聞かせる。



すると、どこから来たのか目の下に隈を作ったヒロが私達の席に近寄り同席した。

「お前らが窓から見えたんでな」

疲れた表情でヒロはそう言って座る。



「どうしたの?徹夜?何かあった?」


矢継ぎ早に繰り出されるエリカの質問に、ぐったりしながらヒロは答えた。


「昨日『beast』が潰されて、どこのチームもピリピリしてんだよ。だけど、これで『八神』と『狂炎』の名前は一気に上がった」

「それで『紅蓮』は?今どこかに戦争吹っ掛けんの?」

心配そうにエリカがヒロに再度尋ねる。

「いや……。とりあえず今は戦争は考えていない。っつっても、俺は今のうちに狂炎を潰したいんだが樹が首を縦に振らねぇ」

「……狂炎の本拠地が施設だからじゃないのかな……?」


樹からはきっと、狂炎に手を出さないだろう。仕掛けるとなれば、八神諒から樹に対して戦争を仕掛けて来るのではないか?



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