Sympathy For The Angel
「お陰様で体調は回復したようですわ。さすがにしっかりなさっていらっしゃるわね、あなた」

「応急措置は見事だったね。さすが、八神先生方の教えの賜物かな?」



誰か胃薬持ってないかな?腐臭が酷くて吐き気がしてきたよ。

もっともこの腐臭はうちの両親から出てるみたいだけど。




「今から寿司でも食べに行くんだが、もし良かったら八神君も一緒にいかがかな?」


は?なんでその面子で行かなきゃいけないわけ?


「それは是非ご一緒させて頂きたいですね」


おい断れよ八神諒。にこやかに笑ってんじゃねーよ。


「さぁ、じゃあ支度して出掛けようか?」


………なんでこうなるの!?





「……アンタ、離れてくんない?」


私の左隣の席を陣取った八神諒に悪態をついた。

「今日は猫被ってた方が良いんじゃないのか?」

「はっ。馬鹿馬鹿しい。そりゃアンタだろ。さっきの何あれ。ウザいよマジで」

右隣に座る美優紀は鞠躬如として下駄に乗せられた寿司を食べている。

美優紀、すごく居心地が悪そう。

そりゃそうだよね。一貫何千円の寿司なんて食べた気しないもん。


「それより、こないだアンタ達が『beast』を潰すとこを見てたんだけど」



下駄の上の寿司には見向きもせず、私は八神諒に話し掛けた。



「なんだ。言ってくれれば特等席で見せてやったのに」

「近寄りたくない。て言うか、アンタは次はどこに戦争しかけるつもりなのさ?」


私のその問いに八神諒は薄ら笑いを浮かべた。
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