Sympathy For The Angel

「ハヤトの事が心配なの?」

チーム抗争なんて無縁の世界で生きてきたんだもんね。怖がるのも仕方ないか。


「いえ、お兄ちゃんじゃなくて……。八神さんが敵だって知ったら、何か悲しくて……」


待て待て待て。

これは。もしかして。


「美優紀。あんたもしかして。八神諒の事が好き、なの……?」


その瞬間、美優紀の顔はボッと火がついたように赤く染まった。


「ちちちちがいます!だって、私は施設育ちだし、第一八神さんには釣り合いませんよ!」


思いっきり噛んでますけど。


「そんなの障害にはならないじゃん。人を好きになるのに理由なんてないし。樹だって施設育ちだけど、私には自慢の彼氏だよ?」


美優紀がねぇ……。


「……八神さんの事を思ったら、胸が苦しくなるんです。心臓じゃなくて…。何て言うんだろ、甘いような痛み?」

「間違いなく恋だね」


うんうんと腕組みして頷いた。


「そっかあ。美優紀もついに恋を知ったかあ」

「やだ!止めて下さいよー!」

ん?このパターンは、真依と同じじゃないか?


「……でも、相手が八神諒だとなると、あんまりオススメはしないけどなぁ……。アイツ遊んでそうだしね」

「カッコいいですもんね……」

認めた!!この子八神諒がカッコいいって認めちゃったよ!!


……重症かな、こりゃ。




< 147 / 150 >

この作品をシェア

pagetop