Sympathy For The Angel
「ハヤトの事が心配なの?」
チーム抗争なんて無縁の世界で生きてきたんだもんね。怖がるのも仕方ないか。
「いえ、お兄ちゃんじゃなくて……。八神さんが敵だって知ったら、何か悲しくて……」
待て待て待て。
これは。もしかして。
「美優紀。あんたもしかして。八神諒の事が好き、なの……?」
その瞬間、美優紀の顔はボッと火がついたように赤く染まった。
「ちちちちがいます!だって、私は施設育ちだし、第一八神さんには釣り合いませんよ!」
思いっきり噛んでますけど。
「そんなの障害にはならないじゃん。人を好きになるのに理由なんてないし。樹だって施設育ちだけど、私には自慢の彼氏だよ?」
美優紀がねぇ……。
「……八神さんの事を思ったら、胸が苦しくなるんです。心臓じゃなくて…。何て言うんだろ、甘いような痛み?」
「間違いなく恋だね」
うんうんと腕組みして頷いた。
「そっかあ。美優紀もついに恋を知ったかあ」
「やだ!止めて下さいよー!」
ん?このパターンは、真依と同じじゃないか?
「……でも、相手が八神諒だとなると、あんまりオススメはしないけどなぁ……。アイツ遊んでそうだしね」
「カッコいいですもんね……」
認めた!!この子八神諒がカッコいいって認めちゃったよ!!
……重症かな、こりゃ。