Sympathy For The Angel
「うわ。お店で買うのと同じぐらい良くできてるよ!これ、貰ってもいいの?」

美優紀は嬉しそうに頷いた。


「まだ作りかけですけど、お兄ちゃんにはこれをあげようかなって」

美優紀が差し出したのは、ビーズ織りの本だった。

それには様々なビーズ織りが写真と解説付きで載せられている。

ブレスレットの他、小物入れバッグやコースター等々。

美優紀が指したのは、小さな指輪だったが、私はその横の写真に目がいってしまう。

それはリストバンドのようなブレスレットだった。


「………美優紀。これの作り方、教えてくれない?」


それを聞いた美優紀は、霞草が揺れるようにふわりと笑った。




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