Sympathy For The Angel
「駄目だね。支部の奴等に結束がないどころか、いつ紅蓮本部の寝首をって虎視眈々に皆が狙ってるよ。そんな中にアンタ達を放り込むわけにはいかない」

「椿さん……」

お通夜のような陰鬱な空気に堪えかねて、私は以降の指示を出した。

「襲われそうになったりヤバいと思った時には、すぐ私かエリカに連絡して。速攻で救援に回るから。以上ヨロシク」

「はい!」


私が席を立つと、皆が一斉に頭を下げた。


店の外に出て空気を大きく吸い込んでいると、後ろからエリカがやって来た。


「どっか行くの?」

エリカの問いに、指を指して答える。

「……海に行きたい」

「行くか!」



そして私達は、夜の国道を海に向かって走り出した。




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