Sympathy For The Angel
狂宴。

新興勢力の、全てが不明の謎のチーム。


「そのトップが俺。八神諒(やがみ りょう)ね。情報が知りたければ色々教えてやろうか?」

「……別に要らない。必要ない」


踵を返してその場から逃げようとした。


だが、前から来た父とお偉いさんにみつかってしまい、逃げ道を塞がれてしまう。


「椿!こんな所にいたのか?ああ、申し訳ありません八神先生。これがうちの娘の椿でして……」

八神……?

「諒!そうか、早速遊佐君のお嬢さんとお近づきになったんだな。ハハハ、うちの孫は全く美人さんには目のないヤツでしてな……」

孫!?

この自称『狂宴』のトップが!?

「実は今日も、どうしても遊佐君の娘さんに会いたいと我が儘を言ったのは諒なんだよな。それで儂も興味を持った訳だが……。いやいやどうして、お綺麗なお嬢さんで鼻が高いね、遊佐君!」


こら待て爺い。何勝手に話を進めてくれてんだよ。

「いや、お孫さんも知的で流石に先生の教育がしっかりなさっていらっしゃると、感服しきりですよ!」

煩ぇよクソ親父。娘は見せ物じゃねぇよ。

「まず、若い者は若い者同士で仲良くしているようだし、儂らは儂らで仲良く話し合おうじゃないかね?」

「そうですね。ではあちらに場所を……」


騒々しい二人が去ると、思わず安堵の溜め息を漏らした。


「何、お前こういう雰囲気嫌いなの?」


忘れてた!後ろにはコイツがいたんだった!



「……トイレ行きたいんだけど?」


隙をみてパーティ会場から逃げようとしていた私は後ろから忠犬よろしく着いてくるソイツに、内心ではかなり辟易していた。


「だってお前逃げそうじゃん」


楽しそうに笑うコイツにパイ投げしてやりたい。


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