Sympathy For The Angel
それでも胸の靄は晴れず、テーブルに突っ伏してひたすら禁煙症状に耐える。


うわ、これ結構キツいわ。



「……椿さん……」

不意に名前を呼ばれて勢い良く頭を上げた。


いつの間にか、ルカが私の横に立っている。


「どうした?ルカ」



ルカが応え易いように、軟らかい口調で私の隣の席を勧めた。

ルカはその椅子に座りはしたものの、なかなか口を開こうとはしない。


「……あれからシズと、連絡はとれたの?」


ルカの彼氏のシズ。

確か、中央高校に通う1年生だったことは覚えている。


ルカは同じ高校の2年生。



ベタ惚れしたシズが、ルカに告って付き合いが始まったんだったっけ?



「……今朝からずっと携帯にメール入れたり電話したりしてたんですけど……」

「うん」

「……全部無視されちゃいました」

無理して見せる、ルカの笑顔が痛々しい。


< 37 / 150 >

この作品をシェア

pagetop