Sympathy For The Angel
だけどもさ。

八神諒とまた顔を会わせなければならないのには閉口するよね。


しかも二人きりになんかなりたくないんだけどさ。


こうなったからには、いい加減私も色々と覚悟をするべきなのかも知れない。



ルカやエリカ、それに真依の事を考えて自室のベッドに寝転んだと同時に、携帯の着信が鳴る。


相手はヒロだ。



今までヒロから私に直接電話がきたことなんて殆ど無い。

何だろうと訝しんで携帯を取った。



「…ヒロ。どうした?」

『樹、お前の家に行ってねぇ?』


挨拶もなしに、いきなりヒロは用件を切り出した。



「は?来てないけど……」

『悪いけどさ、家の回りをちょっと見回ってみてくんねぇ?アイツどこにもいないんだよ』

「えー?またどっかのオンナのとこじゃないの?」

『……絶対に違う。つーか…だから樹にはお前と狂宴の事、言わなかったのに……』

「ちょい待て。私と狂宴がどうしたって!?」

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