Sympathy For The Angel
「この店は、いつ閉店するの?」
「来月。本来なら今月中に閉めるはずだったんだけどな」
「なんで延ばされたのさ?売上げが悪かった?」
悪戯に樹の顔を見ると、心外だとばかりに頭を小突かれた。
「逆だ馬鹿。売上げが良すぎて、店を継続してくれって頼まれてたんだよ」
「へー。儲かるんだ、暴走族のホストクラブ」
「珍しいからな」
「……なんでホストクラブなんか始めたのさ?」
常々疑問に思っていたことを、ストレートに樹にぶつけてみた。
「紅蓮にいる奴等は、多かれ少なかれ家庭内に曰があるのが殆どだ。だから、あいつらが自立できるぐらいの金を用意してやる必要があった。それだけだ」
ヒロが幹部会議で言っていた、樹の過去。
親に捨てられ、連れて来られた施設では虐待されていた樹の哀しい心の傷。
確かに、頼る大人がいない彼等には、そうして生き抜くより方法はないのかも知れない。
それに文句を言う筋合いは、少なくとも私には無いだろう。
「来月。本来なら今月中に閉めるはずだったんだけどな」
「なんで延ばされたのさ?売上げが悪かった?」
悪戯に樹の顔を見ると、心外だとばかりに頭を小突かれた。
「逆だ馬鹿。売上げが良すぎて、店を継続してくれって頼まれてたんだよ」
「へー。儲かるんだ、暴走族のホストクラブ」
「珍しいからな」
「……なんでホストクラブなんか始めたのさ?」
常々疑問に思っていたことを、ストレートに樹にぶつけてみた。
「紅蓮にいる奴等は、多かれ少なかれ家庭内に曰があるのが殆どだ。だから、あいつらが自立できるぐらいの金を用意してやる必要があった。それだけだ」
ヒロが幹部会議で言っていた、樹の過去。
親に捨てられ、連れて来られた施設では虐待されていた樹の哀しい心の傷。
確かに、頼る大人がいない彼等には、そうして生き抜くより方法はないのかも知れない。
それに文句を言う筋合いは、少なくとも私には無いだろう。