Sympathy For The Angel
「あー、あったあった。『肺動脈狭窄症とは、右心室と肺動脈の間にある弁が狭い病気。軽い狭窄の場合は症状もなく手術は必要ないが、中等症以上は成人になるにつれて症状が出てくるので、手術が必要。手術に適する年令は5歳~15歳。重症の場合は、チアノーゼが出ることもあり…』……チアノーゼって、何?」

「えー!?分かんないな。発作みたいなやつ?」


エリカに釣られて、私もスマホを取り出した。

検索エンジンで《チアノーゼ》と入力し、ヒットしたサイトの一つに接続する。


「え…と。『チアノーゼは《血中酸素濃度の低下》によって皮膚や粘膜が青紫色に見える状態ですので、酸素濃度が高まって炭酸ガスが減ってくれば、普通の肌色に回復します。 酸欠状態になったら、早急に応急治療的な処置を施して下さい。チアノーゼのある患部の保温や心臓マッサージ、患部のマッサージ、人工呼吸などを行いましょう』……うわ、これって心臓マッサージを覚えなきゃなんない?もしかして」


だから美優紀はあんなに顔色が悪かったのか。


エリカは缶コーヒーを一口飲み込んだ後、スマホをしまいながら私に言った。

「なんでハヤトに聞かなかったのよ。『美優紀は発作を起こした事があるのか?』ってさ」

「あ……。そう言えば、私ハヤトの連絡先も聞いてない」

早めにハヤトの連絡先を聞かないと。美優紀に万が一の事が起きた場合、対処法を知っておかなきゃいけないし。


「……バカですか、アナタは!?」

エリカ様すみません、忘れてたんですよてへぺろ。
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