Sympathy For The Angel
だけど真依に制服の裾を引っ張られて、今度は真依を振り返り見る。

「何さ?」

「もー。椿さん鈍いですよ」

「は?」

鈍い?私が?

「もうすぐクリスマスでしょ?エリカさんは、プレゼントのためにバイトを始めたんですよ!」

あ?………ああ、そうなんだ。ヒロのクリスマスプレゼントのために、ね。なるほど。


「もう半月ぐらいしかないけど、それくらい頑張ったら欲しいヤツが買えそうだし。プレゼントの取り置きも頼んだし」

「欲しいヤツって、何よ?」

ヒロが欲しいプレゼントって何だ?

「ジッポー。U.S.Navyの紋章のヤツ、前からヒロがすごく欲しがってたんだよねー。シリアルナンバー入りで限定品なんだよ」

「へー。シリアルナンバー入りかぁ。高そうだね。………ちなみにさ、そう言う真依もプレゼントって決めてんの?」


まずいヤバイ、私そんなの全然考えていなかった。

忙しすぎて考える暇がなかった、というのが本音だけどもさ。




樹へのプレゼント、何にしよう?


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