Sympathy For The Angel
そうしないとどこのチームに目を付けられるか分からないからだ。

レディースなのに何で公道走れないんだかね。



「それなら6時に迎えに来るから、その日は空けとけよ」

え?何で?


「その日、何かあんの?」

「来週からクラブの方が年末イベントで忙しくなるんだよな。それで今度の金曜日しか年内に休みがないから……」

「ないから?」

「……ゆっくり過ごしたい」

「うん。それならゆっくり体を休めて?」

「ちっげーよばーか!二人でゆっくりって意味だよ!」


ああ、またしても勘違い。


「ごめん、気がつかなかった。金曜日の夜ね。いいよ、待ってる」


私今、絶対赤面してるよ。

樹の言葉、破壊力が大き過ぎる。

二人でゆっくりって!




追加のカレーを盛ってテーブルに置き、樹を椅子に座らせた。

ハヤトはガチガチに固まって緊張頻りだ。


「なーに二人でこそこそしてたのー?」

ニヤニヤ笑うエリカはスルーして顔を隠すように下を向き、無言でひたすらスプーンを動かした。




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