二周年記念小説
∮政次ん家∮

所代わって、
此処は政次ん家。

例の合鍵を使って入って
何度か来たことがあるから
何処に何があるかは
すぐに分かる。

冷蔵庫を覗き、
何が作れないかと思案する。

「う~ん、何作るかなぁ」

一人で呟きながら
無難に
カレーを作ることにした。

政次が帰って来る頃には
出来上がるだろう。

作り終わり、片付けを
しているとガチャッと
鍵の開く音がしたから
水道の水を止め、
玄関へ向かう。

「政次お帰り」

ギュウっと抱き着いた。

「鉦冶ただいま」

抱きしめ返してくれた。

「なんだか新婚みたいだね」

僕がそう言うと
政次が耳元で囁いた。


「じゃぁ、
鉦冶が卒業したら
結婚しよう」と……

多分僕は今、耳まで
真っ赤だと思う……けど、
そんなこと言われて
頷かない方が可笑しい。

首を縦に振った後、
少し身体を離して
政次の唇にキスした。
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