【続】朝の旋律、CHOCOLATE
朝。
もう大丈夫、仕事する、と言った私に、渋い顔をしつつも。
哲は工場に降りることを、承諾した。
「あ~……狭山工販が、な?」
病院から閉め出しくらった、と怒っててな…?
蜜に、って、工場に毎日菓子置いて行ってるんだ。
どうする?
と。
階段を降りながら哲は。
そんな、ぞっとするようなことを、言った。
…あ…大変…。
私、退院したら狭山工販に就職するとかいう話、されたような。
…まさか、まさかね…?
いくらなんでも、ない。
…よね?
「蜜、一度…きっちり断った方が良さそうだ」
あれは、ちょっとイカレてる、と。
哲は。
俺、言ってやるから、と。
そう言うけれど。
私、別に…
告白されたわけでもない…んだよ?
このまま、何もなかったかのように、流れないかな?
多分、私に懸想してるんだとは思うんだけど……
思う、…んだけど……。