【続】朝の旋律、CHOCOLATE
どうしても写真を撮りたがる雪音ちゃんと。
どうしても写真は撮りたくない私。
私の格好は、楽団の決まりで、黒と白。
雪音ちゃんみたいに可愛らしくはないから、ふわふわのワンピースではなく、細身のパンツスーツに、スワロフスキー風の、キラキラしたタイ。
それに、哲が買ってくれた、なんのモチーフもない、プラチナのピンブローチ。
もう少し背があったら、カッコ良かったかもしれない。
「ほら、気が付きましたよ」
えぇっ
ちょっ…やだ、心の準備が!
ちょこっと首を傾げるようにして、小さく手を挙げた、哲。
笑むでもなく、唇に笑みを刻むのは、きっと哲も、ちょっと恥ずかしいんだと思う。
隣で彼女とイチャイチャしている真ちゃんのほうが、遥かに恥ずかしいから大丈夫…だよ。