【続】朝の旋律、CHOCOLATE


「ああ!蜜!」


また呼び捨てた!?

うわ不快!
やっぱり不快!

シゲちゃんの超セクハラ発言より遥かに不快!




「良かった!元気になったんだね」


挨拶もそこそこに、工場の一番奥が定位置な私のそばに、真っ直ぐ来ようとした、かの、狭山久志。

私は、皆が居てくれる中での対峙に、思ったほどは、緊張しなかったけれど。




「いつから、うち来れる?こっちは話ついたけど」


と。

場の空気を凍らせるような事を、いきなり、言った。



よしんば……私が転職を願っていたと仮定しても…。


こんな、の……。

ない、…だろ!?




「……お見舞い、来てくださって、ありがとうございました」


お菓子もたくさん、さっきありがたく頂戴いたしました。

あのあと、ちょっと体が良くなくて、面会できる時間も限られてまして…申し訳ありませんでした。
おかげさまで、もうすっかり良くなりました。
これからも、こちらでお世話になりますので、よろしくお願いします。




私にしたら、立派に挨拶、できたと…思う。




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