【続】朝の旋律、CHOCOLATE


工場に戻って。
哲の顔を見れなかった。


私は、自分で言っちゃうのもおかしいけれど、比較的モテる方で。

でもそれはきっと。
私に隙があるからで。



遼のことを、考えた。

彼は、明らかに私が悪かったんだ。

思わせぶりな態度を取って。
受け入れたかのような、行動を取った。

…真ちゃんは違う気がするけれど。
だって彼は、私の多分“思わせぶり”な動きに、惑わされたりしないから。



私は割とモテるけど。

私は哲だけを見ていたい。
堂々と愛したい。



そう思った矢先に。

“大事な先輩ですから”なんて。
哲は、私と関係ない、なんて。





「シゲちゃあああん」


不機嫌を思い切り顔に出すシゲちゃんに、抱き付いた。


色々、怖くて。
色々悲しくて。

哲の顔、見れないようなこと言っちゃって。



ちょっとジジイ~
慰めなさいよ~年の功とやらでさあ~!!



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