【続】朝の旋律、CHOCOLATE


品物を引き取って、狭山久志が帰るのか、工場でマモちゃんの穏やかな声が、聞こえた。


私は、普段、ちょっと休憩したりお昼を取ったりする、テレビのある奥の部屋で、シゲちゃんに説教されながら、それを聞いていた。




「だからな!? 嬢ちゃんは哲にくっついてりゃいいんだよ!」

男が、惚れた女ひとり守れない、とかねぇから!!



ほほ…惚れっ…!?



「あんな奴、哲が蹴散らせばいいだけだろがッ!!」

なんで嬢ちゃんはそう、にゃんにゃんな癖にひとりで何とかしようとするんだ!!!




…にゃ……にゃんにゃん!?




「だいたい哲も哲だ!黙っててって言われて黙る奴がいるか!股間にぶら下がってんのは飾りか!!!」



ぶら下がっ……………!?
ちょっ…シゲちゃん…!?



「……ば……馬鹿言わないでくださいよ!」

「なんだとっ!?」



だってだってだって!

ただでさえ哲には面倒かけてるのに!

こんなワケわかんない事になって!

哲が逆恨みされたら困るじゃんッ!



つーか!!

…下品にも程があるだろっ!?





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