【続】朝の旋律、CHOCOLATE
頭ごなしに叱られて。
何だか、大声を聞いていると、不安感が増す。
私の緊張と、味わった事のないジャンルの恐怖は、収まる、というよりも。
ぱきり、と音を立てて割れたような気が、した。
私は、とことん面倒な女で。
哲が、もう止めてやってくれ、と助けに来るまでの、ほんの数分の間。
まるで、静かに気が触れたかのように従順に、うなだれていた。
「…哲、ごめん、ね」
シゲちゃんも、ごめんなさい。
私、仕事する。
もう大丈夫だから。
哲が居るし、みんな居るし。
もう、言わなきゃいけないこと、言ったし。
もう、大丈夫、ありがとう。
哲が。
思い切り眉を寄せたけれど。
チラリと時計を見た哲は。
短く強く、ため息をついて。
多分、蒼白だった私を立たせ、その胸に私の頭を、抱いた。