【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「ちょっ…真ちゃんあっち行ってよ…!!」
「……マジひでぇ女だな」
だって!!!
叫びかけて、また口を噤んだ。
ふてくされた顔してるじゃん!真ちゃんのニューハニー!
「蜜」
「哲!真ちゃん駄目だって!!あっち連れて行ってよぅ」
哲は苦笑しながら私と真ちゃんの間に割り込むと、ニコニコしている雪音ちゃんに、小さく会釈した。
以前だったら、確実に、ずきりと。
痛む胸を押さえただろう、ささやかな笑顔も、最近では、ちくり、程度におさまるようになっていた。
ちくり、は、するんだよね。
どんだけヤキモチ妬きなんだろう私。
「こんにちは、佐伯さん」
雪音ちゃんが、哲に笑顔を向ける。
ほら、ちくり。
「今日は、ありがとうございます。蜜さんのソロもありますから、ゆっくり楽しんでくださいね」
じゃあ写真撮りましょう、と。
雪音ちゃんの手首にかかった水色のデジカメに、もう、なすがまま。
壁を背に、哲とも、真ちゃんとも、二枚ずつ。