【続】朝の旋律、CHOCOLATE


ステージは。

クリーム色の照明が、譜面台の金属にキラキラと。

客席なんか、あんまり見えないくらいに、明るい。


一曲目の一音目は、やっぱり緊張するけれど、指揮者の台に乗った団長は。

観客に背を向けているのを良いことに、おどけた笑顔で、私たちに笑顔を促す。



この人は、緊張しないんだろうか。

いつも、どんな場面でもステージでも。


楽しいね、って。
全身で表現する。

最高にキラキラした目で、団長の指揮棒が、私たちを導く。



ああ、団長。

いつもの菜箸の指揮棒じゃなくて良かったです。

どうしていつも、菜箸なんですか?


今日の団長、すごくカッコいい。
いつもその指揮棒、使いましょうよ。



< 15 / 422 >

この作品をシェア

pagetop