【続】朝の旋律、CHOCOLATE
下げられたお皿。
白ブドウの香り、とやらの中性洗剤で洗いながら、私は音楽を聴いていた。
曲は、J.スウェアリンジェンの、センチュリア。
私たちの、演ったもの。
中学生の時の部活で、私が演りたかった曲の上位にあった曲だけど、個々のレベルが足りない、と。
顧問に一蹴された思い出がある。
結局その時に顧問の選んだ曲は、J.ヴァンデルローストの、アルセナール。
どっちもいい曲だけど、金管奏者の私には、センチュリアの。
1つ1つの音の、はっきりした感じが、気持ちよかったんだ。
あの頃の私は。
こんなふうに。
ベランダに人がいたのかと思うと、何となく怖くて気持ち悪くて。
カーテンをまだ開けられないでいる私からは、想像もつかないほど天真爛漫で。
純粋だったのかも、知れない。