【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「…えぇ?」
真ちゃんは再び、一瞬眉を寄せて、目を開けた。
「………」
「…後で聞く。6時間寝かせて」
「長っ!6時間!?」
哲は、私に近づくと、開いたままの携帯を覗き込んで。
はっきりとため息を、ついた。
「真也来てるって言わないで、何も知らない、ってレスしといてやって」
すぅ、と。
早々と寝息にかわってしまった真ちゃんを、また揺さぶるのも忍びなくて。
招き入れようとめくったままだった布団を、真ちゃんの口元にまで掛け直してから私は。
確かにそれが一番だろうし、何も知らないのは嘘じゃないし、と。
定演の日に、思い切り睨まれたことをちょっと思い出して。
ぽちぽちと、レスを打ち始めた。
私は真也さんのプライベートな事は、彼氏の友人、という以上の事は知らないし、ましてや私を好きとか、ないですよ、って。
メール、あらかた見ちゃってたら、やや白々しいけど…仕方ない…よね?