【続】朝の旋律、CHOCOLATE
もうひとつは、狭山久志。
真ちゃん寝てるし、暇だし、ほんとにどこか行こうか、なんて話をしていたけど。
なんとなく、休日に一緒にいるのを見られたくない。
付き合う、という形をとる前にだって気にしなかったような事が、ひどく気にかかるくらいには。
私の中に、しこりのように巣くうような狭山久志の“想い”は、重たかった。
「別に平気だろ」
「…でも」
哲は、平気だと言う。
あいつが見てるなら見てるで、見てりゃいいじゃないか、と。
言う。
だけど私は。
「……哲が…逆恨みされたら……困る」
「……逆恨み?」
「…………うん…」
「…してみりゃいいんだ、あの野郎、調子乗りやがって」
何かして来たら次は絞め殺す!
えぇっ…ちょっ…哲!
口悪っ!
そそ…そんなに怒んないでよ!