【続】朝の旋律、CHOCOLATE
哲は、すっかり呆れた顔で。
風邪引くから起きろ、と真ちゃんをごろりとひっくり返す。
「ねぇ…首、痛くするよ…?」
「ん~」
変な格好のまま、もぞもぞと体勢をずらした真ちゃんは。
明らかに寝違えそうな、首の角度を気にして近付いた私に、絡みつくように腕をまわして。
「…ぃ…に゛ゃあッ!?」
床に組伏すように、重なった。
「真也ッ!!!てめぇ起きろ!」
「おおお…重い!重いよ!」
変な叫び声上げちゃったじゃないか!! こっぱずかしい!
潰れた猫か!!
「…あ~、ごめ……い痛たたっ…てて哲!ごめ悪かっ…!!」
哲に髪を掴まれて、上半身を反らした真ちゃんは、寝ぼけていたのか、寝ぼけた振りなのかは解らない。
けど…びっくりした。
萌える隙間もなかったョ…。
あんな勢いで乗っかられたら、あっさり流される女の子は、割といるに違いない。
………や…以前、私も流されかけたなんてことは…早急に忘れてくれ。