【続】朝の旋律、CHOCOLATE


「で、なんだっけ?」


真ちゃんが殴られた頭を、まださすりながら、言う。

殴った哲も、拳をさすっているから、相当な勢いでやったのかも知れない…。




「見ていいよ」


真ちゃんの彼女と私との、メールラリー。

無音に設定してあるキーを、ポチポチと操作しながら、真ちゃんはつまらなそうに、一通り画面を眺めて。




「…“真也さん”だって」

ぷふっ、と。


見るべき箇所じゃないような所で、吹き出した。




「………私!もう返信しないからね!?」


ニヤニヤと、いつまでも“真也さん”に食い付いたきりな真ちゃんに噛み付けば。

不意に笑みを消して、私を、見た。




「あぁ、うん、…悪かったな」


なんて。
至極真面目に。

じっと成り行きを見ていた哲が、真ちゃんの手から私の携帯を抜き取って私に返すまでの、間。


私は心底びっくりして、まじまじと。

変な違和感みたいな、奇妙な緊張感に、ドキドキ、していた。




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