【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「喋んなって言っただろ!!」
「喋んない訳に行かないでしょう!?」
何もして来ない、何もおかしな事を言わない、仕事場での得意先を。
完全無視するなんて、出来るわけないじゃない!
あからさまに逃げ隠れして、話し掛けられてるのに、そっぽ向くなんて、出来ないよ!!
「昨日はゴミも!無くなってんだろが!!!」
「だ…だって…!! 私しかいなかったんだもん!シゲちゃん休みだし…磯部さんトイレで…マモちゃんも哲も配達行ってたじゃん!」
「蜜がなぁ!そうやって屁理屈こねて調子付かせるから!」
ひとりで外にも出れなくなってるくせに!
哲は。
いつになく大きな声で。
私を頭ごなしに怒鳴りつける。
昼休みの、私の部屋で。
私が工場で。
不意に現れた狭山久志と、2人だったのを見た、から。
その距離が、ちょっと近かった、から。